medisere メディセレ 川井 児島

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サンキュードラッグ株式会社 代表取締役社長 平野健二
対談目次   【第1回】 信頼される薬剤師像
    【第2回】 信頼の裏付け
    【第3回】 アメリカの制度と薬剤師

第3回 アメリカの制度と薬剤師
 

児島 : 平野社長とは第1回、第2回とも、アメリカの薬剤師や薬学教育と日本を比較し、様々な考察をしてきました。今回は、アメリカと日本の具体的な制度の違いについて、お話いただこうと思います。よろしくお願いいたします。

平野 : よろしくお願いします。日米間で様々な違いは存在しますが、薬剤師の立場の違いを最も象徴的に表すのが「Refill(リフィル)」です。Refillとは処方箋の繰り返し利用を可能にする制度で、糖尿病や高血圧など慢性疾患において、毎回医師の診察を仰ぐことなく、最長2年間、薬剤師の責任で医薬品を提供する制度です。また、薬剤師は必要に応じて処方箋の書き換えすらできる場合があります。

児島 : 日本との大きな違いですね。日本の薬剤師は、処方権はもちろんのこと、疑義照会は行っても書き換えはできません。アメリカではなぜそのような制度を採っているのでしょうか?

平野 : 患者さんの立場からすると、毎回ドクターに会う(診察を受ける)事の最大の負担は「時間」です。多くの場合、勤務を抜けて午前中に来院することになりますが、特に慢性疾患においては、そこで重要な問診が行われることは少ないのです。「お変わりありますか」「いえ、特に」「それではいつものお薬を出しておきましょう」という展開を経験された方は多いでしょう。その際、診察料というコスト、再度薬をそろえるコストがかかっていることも忘れてはなりません。

児島 : これは日本も同様ですね。慢性疾患の患者様にとってこのやりとりは、時間、経済コストの面での負担が大きいのは、日本もアメリカも同じですね。Refillの制度が施行されれば、患者様は必要なときに薬局に薬をもらいに行くことができますね。ドラッグストアであれば、夜10時にもらうことも可能でしょう。もはや、病・医院の都合ではなく、自分の都合でスケジュールを組み立てることが可能になりますね。

平野 : はい。また、1〜2年も続けてきてもらえるとなれば、薬局はその患者さんのお薬を必ず備蓄するでしょう。患者さんは、備蓄を気にせずに「かかりつけ薬局」を選択できるようになるのです。

児島 : ただし、その際、薬剤師は大きな判断を下さなければなりませんね。

平野 : そうです。ある病気が進行するとき、治るとき、現われる症状を知らなければ、その薬を連用してよいかどうかの判断がつきません。すなわち臨床(病理)が必要になるのです。薬の増減や処方変更など、きめ細かい知識も必要です。長期に及ぶ治療では、体調・体質の変化や併用薬の問題もあります。

児島 : そうすると、こうしたことをうまく聞き出し、適切な処方を考えた上で、患者様に納得してもらい、きちんと飲んでいただいて、メディケーション(ファーマシューティカルケア)を完成させなければなりませんよね。この時には、高い「コミュニケーション力」が要求されますね。

平野 : その通りです。アメリカではこのコミュニケーションスキルを向上させるためのプログラムが多く組まれており、徹底した教育を行っています。

児島 : 薬学教育も大きな変革期を迎えており、6年制のカリキュラムでは、アメリカと同様に「コミュニケーションスキル」の向上にウェイトを置いたものとなっています。

平野 : 話は変わりますが、日本薬剤師会が2003年頃に大手シンクタンク2社に委託した調査によると、現在52000店ある保険(調剤)薬局は2015年までには20000〜25000店に減少することになっています。「50000−25000=25000だから、半分なくなるのか」と考えて、「自分の店は半分より上にいるから大丈夫」と思ったら大間違いです。現実社会の算数は下記のように働きます。

「50000−35000+15000=25000」

これまでのルール(分業推進)で生き残ってきた薬局の大多数は、医療費抑制という新しいルールでは生きていけないということです。そして、新しいルールに適応した21世紀型調剤薬局が出現し、そちらが主体となるのです。

児島 : となると、現在のような「開業医1軒ごとに1軒の調剤薬局」が存在するという状況は、一変しそうですね。

平野 : はい。薬局の立地は、医療機関隣接から、生活者の利便重視へと変わります。生活者の利便を満たす薬局のあり方は、皆さんにも想像がつくはずです。基幹病院は入院を要する患者のための施設となりますから、外来は大幅に減少します。病院前の門前薬局は激減しますが、1〜2軒は残るかもしれません。門前ですぐに薬をもらいたいというニーズを満たすには、門前は便利だからです。開業医のマンツーマンは、処方箋単価の下落やコストアップにより、よほど枚数が多くなければ経営的に成り立たなくなります。コミュニティ薬局としての価値を発揮するためには、真のかかりつけ薬局として「選んでもらう理由」を明確に打ち出せねばなりません。

児島 : ただし、そういった薬局のすべてが無くなるわけではありませんよね。

平野 : もちろんです。数的には最も多い減少セクターであることは間違いありませんが、すべてなくなるわけでもありません。医療モールで処方箋の出所を増やすのか、面の処方箋が集まる理由を打ち出すのか、それができた薬局だけが残ることになるでしょう。

児島 : そうなると、ドラッグストアと調剤薬局の境界が無くなりますね。

平野 : 2025年、調剤薬局と言えばドラッグストアを意味するようになっていることはほぼ間違いありません。経営的には、物販と共に存在することでコストを抑えつつ多面的に集客できますし、調剤薬局のように立地を選ばない(医療機関隣接でなくて良い)点も、利便性に貢献します。ITの進化によって、薬剤備蓄体制や薬歴の共有など、チェーン店のメリットも増強されます。商品としてOTCや健康食品を人材資源として栄養士なども活用しながら、健康に対するトータルサービスが可能となる点も見逃せません。

児島 : 「調剤薬局がドラッグストアと呼ばれる」時代を予感させる動きはありますか?

平野 : 実はサンキュードラッグで既に、ドラッグストアへの処方箋の流れは実証されています。既存店前年比で見たとき、マンツーマン薬局や門前薬局が横ばいもしくはマイナスであるのに対し、ドラッグストアでの処方箋枚数は、ここ3年、30%という高率で伸び続けているのです。

児島 : なるほど。もうすでに処方箋は、動いているわけですね。これはドラッグストア、調剤薬局を多数経営される、平野社長だからこそ見える動き、ですね。3回にわたり貴重なお話を有り難うございました。話題が次々出てきましたので、またぜひ対談の機会を頂戴したいと思います。平野社長の見ているものが、多くの薬剤師、薬学生の意識と行動によい影響を与えることを切に祈りながら対談を終わります。

 
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