medisere メディセレ 川井 児島

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神戸大学医学部 教授 神戸大学医学部附属病院 薬剤部長 平井 みどり 氏
対談目次   ● 薬剤師の使命

薬剤師の使命
 

児島 : お久しぶりです。やっと先生にお会いすることができました。多忙な中、お時間を頂きましてありがとうございます。

平井 : こちらこそ。いつも学会などでお会いしますが、なかなかお話しする機会がなくて。私も児島さんといろいろお話しをしたいと思っていました。

児島 : 早速ですが、今年からいよいよ実務実習(以下実習)がスタートしますね。

平井 : そうです。旧カリキュラムでの実習は、実習期間が短く、残念ながら場合によっては見学だけ、といったようなところもありました。また、病院実習は義務づけられておりましたが、保険薬局での実習は必須ではなく、薬剤師の役割を知るためには十分なものとは言えませんでした。新カリキュラムでは実習期間が2.5ヵ月と大幅に延長されました。この期間、学生は病院と保険薬局の両方で薬剤師の仕事を体験することができます。

児島 : コアカリキュラムによると、実務実習の目的は、主に「技術・技能の習得」となっていますね。

平井 : そうです。しかしながら、これだけが目的ではありません。患者さんに接することでコミュニケーションを取ることの難しさや倫理的な問題に直接触れることができます。コアカリキュラムにとらわれず、様々なことを経験し、学んで欲しいです。

児島 : 平井先生、これはなんですか?

平井 : ああ、これは薬剤部で購入した聴診器と血圧測定器です。明後日、薬剤部のメンバーで聴診のレクチャーを受けます。最近知ったんですけれど、今の聴診器はとても良く聞こえるのよね。びっくりしました。私の聴診器は20年も前のだけど…。(笑)

児島 : なかなかの年代物ですね。そのうちプレミアが付くかもしれませんよ。(笑)メディセレでも聴診の講座を希望者に実施しています。

平井 : まぁそうなんですか!すばらしいことですね。私は常々、薬剤師は薬物治療に責任を持つべきだと考えています。薬物治療を責任持って行うためには、両手を後ろで組んでいてはだめです。しっかり患者さんを診て、触れて、副作用の徴候は無いか、薬の効果が現れているか、患者さんの病状や症状が改善されているか、そういった患者情報を集めなければなりません。もちろん、患者さんの訴えにしっかりと耳を傾けることも重要です。様々な患者情報を収集して、薬剤師は総合的に判断しなければなりません。

児島 : こちらの病院では薬剤師もバイタルサインを診るわけですね。特に最近は、在宅療養患者に対して、薬剤師が服薬指導や投薬をする機会が増えていますものね。このような在宅患者に対しても多くの情報を得ることができれば、より安全で効果的な薬物治療が実践できますね。

平井 : そうです。残念ながら、現在でも「薬剤師は患者に触れてはならない。」と仰る方々をお見かけすることがあります。しかし、それは間違いです。確かに医師法第17条に「医師以外のものが医業を行ってはならない」と書いてあります。しかし、血圧測定や体温チェック、聴診は医業には該当しません。ですから、薬剤師の皆さんは積極的にこういった患者さんのためになる活動を行っていくべきだと思います。

児島 : 調剤薬局でも少しずつ薬剤師がバイタルを診る動きが出ていますね。

平井 : とても良い傾向だと思います。例えば、高血圧の患者さんは、家庭での血圧測定を行うよう指導されていますが、実行できていない方が多いのです。

児島 : 家庭血圧を測定しようと思ったら、血圧測定器を購入しなければなりませんし、私だったら毎日測定するのをおっくうに感じるかもしれません。

平井 : そうなんです。そこで、薬剤師が薬局や在宅療養患者の自宅に赴いて血圧を測定することで、ある程度家庭血圧に近いものが測定できます。

児島 : 確かに、誰かが定期的に測定してくれると楽ですし、忘れずに測定することができますね。

平井 : 病院では、いわゆる白衣性高血圧といって、緊張のため血圧が高めにでる方が多いのです。そこで薬剤師が測定した血圧をお薬手帳に記載し、それを受診の際にドクターに見てもらうことで、降圧薬の数を減らすことができるかもしれません。

児島 : なるほど!お薬の数が減ることは、患者さんにとって喜ばしいことですよね。医療費の削減にもつながりますし。

平井 : 血圧測定だけではなく、聴診のスキルも大変役立ちますよ。最近、増加しているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの呼吸音を聴診器で聴きます。すると、ヒューヒューというラ音(雑音)が聞こえる。おかしいな?と思い、患者さんにお話をよく聴いてみると、「2日ほど前にたばこを吸っちゃったんだ」なんて告白されることもあります。COPD最大の原因は喫煙です。もちろん、患者さんは禁煙指導を受けています。しかし、ここで禁煙がうまくいっていないということを知ることができれば、禁煙を困難にしている要因に目を向けることができるわけです。

児島 : 聴診器は便利ですね。そして何より安全ですね。聴診器を患者様の体に当てたところで副作用は無いわけですから…。

平井 : そうです。

児島 : 先生のお話を聞いていると、薬剤師という仕事がとてもやりがいある仕事だということを再確認させられます。近年、医師不足が社会問題となっていますよね。薬剤師が職能を拡大することで医師の負担を減らすことができれば大きな社会貢献にもなり、薬剤師の存在価値が向上します。

平井 : そうです。現在、医師不足を解消するために医学部を新設する動きもあるようです。しかしながら、新設医学部の入学者が現場で活躍するのは少なくとも10年後です。その10年の間に現場は疲弊してしまうでしょう。薬剤師の職能拡大は、医師不足を解消する速効性のある対策と言えます。

児島 : 医学部を新設するよりもお金もかかりませんし…。

平井 : 経営者でもある児島さんらしい意見ですね。(笑)その通りだと思います。

児島 : 先生とお話しすることでこれからの薬剤師の使命が明確になりました。今日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

平井 : こちらこそ。また来て下さいね。

 
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