medisere メディセレ 川井 児島

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京都大学京都大学大学院教授 柿原 浩明 氏
対談目次   ● 薬剤師の職能拡大

薬剤師の職能拡大
 

児島 : こんにちは。先生、お久しぶりです。昨年の生涯教育では大変興味深いお話をありがとうございました。ぶっちゃけトークも面白かったです。

柿原 : いえいえ。児島さんは薬剤師だけど、経済についても興味を持っていて、話をするのが楽しいので待ってたよ。

児島 : ありがとうございます。先日、薬剤師教育センターの井村先生とお会いしまして、「医療にも費用対効果の考えを入れるべきだ」というお話を聞きました。医療に関して費用対効果を考える、というのは今まで何となくタブーとされていた感がありましたよね。ですから衝撃でした。

柿原 : そうだよね。でも今、医療用医薬品にかかっている費用が9兆円を超えていて、何とかしなければ日本が大変な事になるのは明白。そこで薬剤師の出番!と、僕は思っているんだ。

児島 : 薬剤師の職能拡大ですか?

柿原 : そう。薬剤師の活躍の場が広がれば、今よりも医療費は抑えられるはずなんだ。

児島 : フィジカルアセスメントなど、今薬剤師の職能拡大は話題になっていますよね。

柿原 : 実は僕は一度、看護師を対象にあるアンケート調査をしたことがあるんだ。看護師さんの仕事のなかで大きな負担になっているのは何だと思う?採血や注射なんだよ。実に業務の1/4の時間がそこに費やされてるんだ。

児島 : え!そんなにですか!

柿原 : そう。確かに病院ごと、あるいは診療科によって大きな差があることは予想されるけど、それでもかなりの負担であることは間違いないよね。僕は医者でもあるからよくわかるんだけど、採血や注射って結構マンパワーがいるんだ。で、さらに、注射や採血を薬剤師がやることに対してどう思うかも調査してみたんだ。

児島 : 看護師さんはどのように思っていらっしゃるんでしょう、反対意見の方が多そうですが…。

柿原 : そう思う薬剤師が多いいんだけど、実は全く違って、「賛成」がなんと2/3。

児島 : 過半数を超えていますね!

柿原 : うん。これはおそらく、慢性的な看護師不足のせいで、多くの看護師にとって、業務の軽減は歓迎すべき事なんだと思うよ。医師不足も問題にされているけれど、看護師不足も深刻な問題だからね。

児島 : そうなんですね。医師は医局の崩壊や高齢化によって不足になっているのはよくわかるのですが、看護師さんが不足ってちょっと納得できないんです。

柿原 : というと?

児島 : 看護科は新たに設置する大学も多く、また今年の看護師国家試験の合格者数は4万8千人です。薬剤師9千人と比べると比較にならないほど多いです。なのに不足するってとても不思議です。

柿原 : なるほど、たしかに。看護師の年間の輩出数はここ数年2千人ずつくらい増加している。だけど、看護師の不足は輩出に問題があるわけではないんだ。2005年までは10:1看護といわれていてね、患者さん10人に対して看護師が1人の比率だと最高額の診療報酬がもらえたんだ。それが2006年には7:1看護になった。そしてさらに今、看護師協会は5:1看護を提唱している。7:1看護でさえ実施されていない病院がたくさんあるというのに。

児島 : それだと永遠に充足なんてしないじゃないですか。

柿原 : そう。ここだけの話…実は僕は看護師協会の仕事って「慢性的な看護師不足状態をつくり出すこと」じゃないかと思ってる。(笑)

児島 : なるほど!(笑)先生らしいお考えですね。私はそのことに全く気づいていませんでした。「不足」ということになればその職種の価値は高騰します。逆に飽和するとその職種の価値は下がります。日本医師会が医学部新設に反対しているのはよくわかります。医師が飽和すれば医師の価値が下がる、おそらく年収も下がってしまうでしょう。これから日本はどんどん人口が減少していきますから、医学部を新設してその卒業生が医師として活躍する頃には、充足しているでしょう。

柿原 : そうなんだよ。で、薬剤師の出番だけど…

児島 : あ、そうでした。

柿原 : 今の病院薬剤師には看護師の注射や採血を手伝うような時間なんてない。でも、在宅医療を考えたときにはこの需要は大いにあると思わない?

児島 : そうですね。今度メディセレ薬局でも在宅を行うことになりました。医師が診察して処方を出し、調剤は薬剤師、で、投与するのは看護師さん…確かにこれって少し面倒な気がします。薬の事は薬剤師が一番わかっていますから薬剤師が点滴を行い、治療効果の評価や副作用などについてアセスメントできるのが理想ですね。

柿原 : そう、フィジカルアセスメントもいいけど、ぜったいこっちの方が需要があるし、患者さんにも喜ばれると思うんだ。だから、僕はぜひ、薬剤師さんに臨床検査技師の資格を取って欲しいと思ってる。

児島 : なるほど。それいいですね。あ!でも…昔は臨床検査技師の資格も取得できる薬学部が多かったのですが、今は臨床検査技師の取得ができなくなっています。私が学生だったころは確かに取得できました。

柿原 : そうなの!もったいない。これからは薬剤師は臨床検査技師の資格を取っておくべきだよ。

児島 : ん〜。ということになれば、臨床検査技師の資格を取れるように今一度大学のカリキュラムを見直す必要がありそうですね。

柿原 : 今や臨床検査技師も職能を拡大していて、エコーや心電図、聴力などの生理検査は臨床検査技師がやっている。診断こそ書かないけれど、エコーを撮ったらその画像に関する詳細なレポート(所見)を書いてるよ。

児島 : チーム医療によって医療の充実を図るためには、薬剤師の職能拡大は必須ですね。薬剤師プラスαの資格取得を視野に入れるというのもとても重要な考えです。以前、アメリカで薬剤師の注射の権利を勝ち取ったドン教授とお話する機会がありました。ドン教授はまず最初に注射の技術を学ぶため、看護学校に入学し、看護師の資格を取得したのだそうです。

柿原 : そうなんだ、それは知らなかった。日本なら看護師よりも臨床検査技師の方がよさそうだね。

児島 : そうなると、薬剤師の職域は大きく広がりますね。

柿原 : うん。以前、ファルメディコの狭間先生が薬剤師3.0を提唱されていたけれど、注射や点滴、採血ができる薬剤師が誕生したら、在宅で大活躍。薬剤師3.0なんてもんじゃない。薬剤師10.0だよ。

児島 : ほんとですね!(笑)画期的です。これからは高齢化社会がどんどん進みます。医療は病院から患者さんの自宅に移行していくでしょう。そうなると、在宅医療で活躍する薬剤師の需要は大幅に拡大しますね。

柿原 : そう、スーパーコメディカルだよ!

児島 : 柿原先生のお話でとても勇気がでました。一部には、何年後かに訪れる薬剤師の充足を恐れる声を聞きます。ですが、大切なことは充足を恐れるのではなく、自ら活躍の場を広げていくことですね。不足をつくりだす、というのには少々賛成しかねますが、薬剤師が活躍できる場を薬剤師が自ら見出すことが必要ですね。

柿原 : そうだね。これからはスーパーコメディカルの時代だよ。とくに在宅医療ではね。

児島 : 今日は本当にありがとうございました。

柿原 : うん。また来てや!

 

 
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